こんにちは!
言葉と心の専門家、「ひだえり」こと飛田恵里佳です。
金融業を経て30代未経験からラジオ局アナウンサー(正社員)に転職し、その後、言葉と心の専門家として独立しました。
言葉には強いパワーがあり、使い方によっては、薬にも毒にもなるものです。
わたし自身、過去に「言葉の力」で人生が良いほうにも、悪いほうにも変わった経験があります。
言葉と心の研究をするなかで、「言葉遣いは心遣い」なんだな、と感じることがよくあります。
今回は「言葉遣いは心遣い」というテーマでお話をしていきますね。
相手への気遣いは言葉選びにあらわれる
簡単そうで難しい、「他人への気遣い」や「心配り」。
よかれと思ってしたことが、かえって裏目に出てしまうこともあります。
しかし、何事も言葉や行動で示さなければ伝わらないものです。
心のなかで思っているだけでは、好意は伝わりません。
きちんと「わたしはあなたに対して好意を持っていますよ」と意思表示をしなければ、どんなに心のなかで大切に思っていたとしても、相手を不安にさせてしまいます。
言葉の選び方は、人間関係の在り方を大きく左右するもの。
あまのじゃくになったり、言葉に不足があったり、解釈に誤解があると、伝わるものも伝わりません。
自分の思いを的確に伝えられるようになると、相手を不快にさせたり、不安にさせたりすることがなくなります。
どんな言葉を選んで届けるかで、あなたの人生は大きく変わるのです。
お断りする時の心遣い
相手のお誘いを断らなければいけない時ってありますよね。
反対に、誘ったのに断られてしまうこともあります。
断るという行為は、する方もされる方も、あまり良い思いはしないもの。
だからこそ、伝え方にひと工夫することが大切になってきます。
たとえば、たったひと言、「無理です」というのと、
「すみません、その日は予定があっていけないんです」というのと、
「誘ってくれてありがとうございます。残念ですが、その日は予定があっていけないんです。すみません」
というのと、
「誘ってくれてありがとうございます。残念ですが、その日は予定があっていけないんです。でも、来週なら大丈夫なので、よかったら来週一緒にお出かけしませんか。ご都合はいかがですか?」
というのとでは、相手に与える印象がずいぶん変わってきますよね。
1つずつ、解説していきますね!
断り方の例
①「無理です」とひと言
これは、断られたほうはかなりショックを受けるのではないでしょうか。理由もなく、ただひと言「無理です」とだけ言われたら、自分に誘われるのが嫌なのか、それとも予定があって無理なのか、わかりませんよね。これは有効な人間関係を築く際にはやってはいけない例ですが、逆に、しつこい相手、今後関わりたくない相手に対しては有効な断り方でもあります。
②「すみません、その日は予定があっていけないんです」
①の「無理です」よりはマイルドになりましたが、これだけでは、誘った側は困ってしまうかもしれません。本当に予定があっていけないのか、それとも、そもそも誘ってほしくないのか、判断しかねます。「ひょっとして、誘ったら不味かったかな…?」と相手を不安にさせてしまうかもしれません。
③「誘ってくれてありがとうございます。残念ですが、その日は予定があっていけないんです。すみません」
この表現には、「誘われたことは嬉しい」「残念だが予定があるから行けない」というメッセージがあるので、誘った側は断られたとしても、大きなダメージは受けないはず。円滑な関係を保ちたい場合は、こうした「誘ってもらったことは嬉しいです」というメッセージを入れると良いでしょう。
④「誘ってくれてありがとうございます。残念ですが、その日は予定があっていけないんです。でも、来週なら大丈夫なので、よかったら来週一緒にお出かけしませんか。ご都合はいかがですか?」
この言い方は、誘ってもらって嬉しいこと、行けなくて残念であること、予定があって都合がつかないことを伝えた上で、代替案を提示しています。この言い方で断られたとしても、相手が不快に思う可能性は少ないでしょう。関係を持続させたいとき、発展させたいときは、断ったうえで代替案を提示できるようになると良いですね!
そもそも「誘って良かったのか、悪かったのか」で相手を悩ませない
誘いを断られたとき、
①たまたまダメだったのか
②そもそも誘ってはいけないのか
のどちらなのか判断しかねる場合、ありますよね。
全然その気がないのにハッキリと断ることができないでいると、相手に余計な期待をもたせてしまい、かえって関係がこじれてしまうこともあります。
もう関わりたくない、誘われたくないという場合には、①・②のようにそっけなく断ることも方法の1つです。
その気がないのに「また誘ってください」という旨の言葉を伝えていたら、誘う方も断る方も、疲弊してしまいます。ハッキリとお断りすることもまた、場合によっては優しさになるのです。
ですが、本当にたまたま都合がつかなくて一回お断りしただけなのに、相手に「この人は自分と出かけたくない人なんだろうな…」と思われてしまっては、その後の関係を続けるのが難しくなってしまいますよね。
ですから、こういう場合は、③のように「誘われたことが嬉しい」と伝えたうえで、④のように代替案をだすことが有効になります。
まとめ:「相手の立場になって考えること」が基本
コミュニケーションの基本は「相手の立場になって考えること」です。
相手にモヤモヤとした感情をなるべく与えないように、言い換えたり補足をしたり、という心配りを忘れてはいけません。
自分が言いたいことを言いたいように言うのではなく、自分が伝えたいことを、相手がどう受け取るか考えて、自分も相手も尊重した会話を心がける。
この小さな心がけや言葉遣いが、心遣いに繋がると思っています。
言葉遣いは心遣い。
ぜひ心がけてみてくださいね✨